
1 お正月におもちをいただく意味
おせち料理は『神人共食(しんじんきょうしょく)』。
自然の恵みである食物を、神さまにお供えし、共にいただき、一年を元気に生きるパワーを内に取り込むのです。
両端が削られた「祝い箸」は、おかずを取り分けるための「取り箸」ではなく、神様が使われる分なのですね。
保存がきいて、簡単に調理できて、パワーが出るおもち。
最後までありがたくいただきたいものですね。
2 おもちのリメイクアイディア
地域のもちつき大会で、自治会役員の友人が「揚げ餅」を教えてくれました。
大1~2の植物油を入れたフライパンで、もちを揚げ焼きにし、だし醤油でいただくというもの。焼き海苔で包むと、サクとした歯ごたえの後に、とろりとしたおもちが出てきてとってもおいしい。うちではごま油が人気です。
昔からのリメイクの定番は、薄く切るか小さく割って、天日で干し、焼いたり揚げたりする「おかき」。
さくさくに揚がるポイントは、水気がなくなるまで「カラカラに干すこと」。屋外で干せない場合は、覆いをせずに冷蔵庫の中においておくと、乾燥してくれます。
良質の油で、弱火でじっくりカラリと揚げたらできあがり。塩味だけでおいしいですが、お好みでカレー粉、青のり、しょうゆ、ガーリックパウダー、一味などをまぶすと、いろいろな味を楽しめますね。
その他、薄く切って鍋に入れごまだれでいただく「しゃぶしゃぶ餅」、サイコロ状に切ってお好み焼きに混ぜ込んで焼く「ちからお好み焼き」、春巻きの皮にチーズやえだまめと包んで「スティック春巻き」などもいいですね。
はじめて「もちピザ」を食べたのは、友人のご実家。お母さんのもちピザがあまりにおいしすぎて、教えていただくと、「オーブンいらず」「フライパンひとつでできる」というすぐれものでした。
クッキングシートを敷いたフライパンに、もち、トッピング、めんつゆ、チーズを重ねて、蒸し焼き。それからうちでは、おやつに、お昼にと、さまざまな具で人気メニューのひとつになりました。
3 基本のもちピザの作り方
クッキングシートを使うと、醤油やチーズの焦げ付きの心配がありません。
テフロン加工のフライパンや鉄製のスキレットは、油もクッキングシートもなしでできます。
ポイントは、醤油やソースを鍋肌につけないように、鰹節や海苔にしみ込ませるようにかけること。おもちの底は薄くパリッと、醤油もチーズも焦げ付かずにできます。
トースターや魚焼きグリルも便利です。
網にクッキングシートを敷き、同じように重ねて焼きます。トースターやグリルが片面焼きか両面焼きか、おもちの乾燥具合や厚さによって焼き時間が変わってくるので、最初は気をつけて見てくださいね。
<材料>(スキレット1個分)
・もち 2個
*厚みを半分にする場合は四角い切り餅がカットしやすいです
・トッピング 適量
・チーズ 適量
・醤油 適量
<作り方>
*そのままの厚さで焼くと、おなかいっぱいバージョンに。おもちの加熱時間を長くして調節してくださいね。
*すき間があっても、伸びてくっつくので大丈夫です
*つきたてやパックに入ったおもちは、この工程を飛ばして(3)へ行けます
*鏡餅などカチカチに乾いたものは弱火でじっくり。水大さじ1を入れて蒸し焼きにしても。
(3)おもちにトッピングを乗せ、醤油を回しかけて、チーズを乗せます。
*「トッピングが半生」にならないためには、ごく薄く切るのがポイント。ふたをしてよく蒸し焼きするか、最初にトッピングだけ炒めておけばまちがいなし
*「トッピングが冷たい」のを避けるためには、小さく切ったり、トッピングをあたためておいてから乗せるといいですよ
(4)ふたをして、3〜5分ほど、弱火で加熱すればできあがりです
*目安はチーズが溶けて、全体がふっくらする頃です
4 おせちの残りも最後までおいしい♪もちピザトッピングいろいろアイディア
お米が材料であるもちピザには、醤油、だし醤油、めんつゆなどがよく合うように思います。普通のピザのように、トマトベースのピザソース、バジルペースト、ミートソース、クリームソース…もおいしいですよ。
トッピングも自由です。チーズの代わりに、すりおろした長芋や、もち粉、白みそ、豆乳をまぜたマクロビチーズなどもお好みでどうぞ。
<ツナもちピザ>
油や水気を切ったツナ缶のツナ、薄くスライスした玉ねぎ。
お好みでマヨネーズで和えても。刻んだあさつきを散らすときれいです。
<めんたいマヨもちピザ>
明太子とマヨネーズ。マヨネーズの代わりに、豆腐と和えるとさっぱり。
お好みで、刻んだ焼き海苔やあさつきを散らして。
<ねぎだらけもちピザ>
新鮮な青ねぎをたっぷりと乗せて、かつお節、醤油。
冷蔵庫にあるゆで卵やちくわの輪切りを乗せても。甘辛く炊いたこんにゃくとすじ肉を乗せると、大阪のネギ焼風になります。
お好みで、マヨネーズや一味唐辛子をひとふりすると、大人味に。
<チーちくもちピザ>
ちくわやかまぼこなどのねりものを薄く切って、かつお節、焼き海苔、醤油。
こちらも、お好みでマヨネーズや一味唐辛子。
<コーンもちピザ>
水気を切った缶詰のコーン、薄くスライスした玉ねぎ、マヨネーズ。コーンマヨに和えておくとこぼれにくいです。
お好みで、青のりを散らして。
<きのこたっぷりもちピザ>
しいたけ、しめじ、舞茸、マッシュルーム、エリンギなどを、一口大に細く裂いて、にんにくで炒めて、醤油をまわしかけたたきのこソテーを乗せます。
きのこは半日軽く干すと、滋味が増します。日持ちするのでたくさん作って、ごはんにパスタに。
お好みでベーコン。
クリームシチューがあるなら、クリームシチューをソースにして、クリームきのこも
<じゃがベーコンもちピザ>
じゃがいもは、薄切りして塩をまぶして蒸し煮するなど、火を通しておきます。どのソースも会います。
ベーコンの代わりにウインナーでも。
玉ねぎ、きのこなどを加えて炒めたソテーを使うと、できあがりも早く、ボリュームたっぷりです。
<納豆もちピザ>
普通におもちでいただくときも納豆は定番のひとつですね。たれを入れてよく混ぜた納豆、刻んだ青ネギや焼き海苔と。
お好みで、刻んだキムチがまたよく合います。
<ちりめんじゃこもちピザ>
こどもたちのおやつに人気だった「じゃこごまマヨトースト」。おもちにも合います。
マヨネーズ、ちりめんじゃこ、白いりごま。和えておくとこぼれなくてよいです。
お好みで、刻んだあさつきを散らすときれい。
<きんぴらごぼうもちピザ>
秋にライスバーガーにはさんだら、とってもおいしかったきんぴらごぼう。包丁を2~3回入れると、食べやすいです。
れんこんのきんぴら、にんじん炒め、ひじきの煮物などのお惣菜もいいですよ。
<温サラダもちピザ>
ポテトサラダ、ゆでたブロッコリーなど、お野菜をたっぷり。お好みで、蒸しえび、ゆで卵、蒸し鶏などもちろん合いますよ。マヨ醤油、バジルソースなどとどうぞ。
<照り焼きチキンもちピザ>
フライパンで焼いた鶏肉に、酒・醤油・みりんを同量入れてからめます。このたれを塗って、刻んだ青ねぎをたっぷり。うちでは「みりんなしバージョン」が人気です。
お好みで、柚子胡椒やマヨネーズをつけても。
市販の焼き鳥や缶詰を使ってもOKです。
<カレー・シチューもちピザ>
夕飯の残りがピザに。何カレーでも。シチューも、ホワイト、ビーフ、ハヤシなんでも。
ルーの部分をソース代わりに塗り、具がある場合は、小さく切ってから乗せると食べやすいです。
はじめにあたためてから乗せるのがおすすめ。
<残り福もちピザ>
筑前煮、肉じゃが、里芋と手羽の煮物、コロッケ…ごはんと食べておいしいおかずは、おもちピザにもぴったり。
おせちの、お煮しめ、数の子、かまぼこ、八幡巻き…小さく切って乗せると、残り福です。
骨のあるものはほぐして、口当たりよく。
5 さいごに
「大量消費するため」ではなく、いまあるものを無駄にせずに、最後まで大切にいただけたらいいですね。
お正月、ゆっくりとごちそうを堪能したなら、次に食事の時間が来たからといって無理に工夫して食べる必要はないですね。
からだは必要な量を知っていますものね。
おなかすっきり。頭もすっきり。
どうぞまっさらなすがすがしい新年を。
あなたさまにとって、よき一年となりますように。
「この時代に、この場所に生まれた、いま持っている心と身体で、この季節に、ここで手に入るものを、大切な人とまるごと味わう」をモットーに、簡単な英語表現を交えながら、四季の行事や暮らしの手作りを楽しむ教室「こども寺子屋」「おとな寺子屋」を主宰している。
ブログ:五感まるごと☆四季を愉しむ寺子屋だより -What a Wonderful Everyday Life in Japan!-