
清々しい竹の緑、
流れる清水のきらめき、
ざるの受ける水の音、
風に揺れる青もみじの影、
すくい上げるそうめんから落ちる水滴…
そうめんの季節です。
<流しそうめんのはじまり>
沖縄研究の先駆者である歴史学者、東恩納寛惇(ひがしおんな かんじゅん)氏の記録によると、江戸時代の琉球の役人の夏の楽しみは、清らかな冷たい川にそうめんを流し、すくって食べることだったそうです。
それを、竹の樋を用いて商業化したのは、宮崎県の高千穂峡がはじまりと言われています。
浴衣や夏の着物で出かける京都の川床(かわどこ)は、涼やかな大人の夏です。
鹿児島県の唐船峡がはじまりの回転式の流しそうめん器のおかげで、家の中でも楽しめるようになりました。
そんな流しそうめんを、準備からこどもたちとすれば、たちまちにわくわく心躍る夏の「学びあそび」になります。
<竹取り・竹工作>
用意するもの
* 竹
* のこぎり
* なた
* 金づち
* のみ(必要であれば)
* 彫刻刀(必要であれば)
* ナイフ(カッター)
* 紙やすり
* ひも
* 脚立(椅子)
* ざる
* かめ(ボウル)
竹は、世界で600~1200種類、日本には150~600種類もあるそうです。
成長が早く、林や山を覆ってしまうため、定期的に手を入れる必要があります。
そのため、竹林の持ち主の方やコミュニティ、学校などに声をかけてみると、分けてくださることも多いです。
1.竹を選んで切ります。
樋には、太いものの方があふれず、流れよいです。
2.持ち運びできる長さに竹を切り、余分な枝をなたで落とします。
3.なたを当てると、半分に割れていきます。
4.金づちで、節をぬきます。
残った節をノミや彫刻刀などで削りなめらかにすると、そうめんが引っ掛からずに流れます。
ささくれなどはナイフで削っておくと、こどもたちにも安心です。
5.器は、底に節がくるように8~10cm位にのこぎりで輪切りします。
6.箸は、ちょうどいい「一あた半」の長さに切ります。
子どもたちなら16~21cm、大人なら24cm~に、竹を切ります。
7.切った竹を立てて、なたで細く割ると、箸の原型ができます。
8.器・箸をナイフやカッターで好みの細さや丸みに削り、紙やすりでなめらかにします。
できあがりです。
樋を設置します。
細い竹三本をひもでくくり、ねじり開いて、樋を乗せると風流です。
脚立や椅子などに乗せて、テープで留めるとお手軽です。
スタート地点は高めに、終わりは低めに。
ゴールに、ざるを乗せたかめやボウルを置けば準備OK。
水を流してみて、調整しておきましょう。
今回はここまで!
後編では、いよいよ実食です。
ちゃんと流れるかなぁ?
続きはコチラ!!→後編
「この時代に、この場所に生まれた、いま持っている心と身体で、この季節に、ここで手に入るものを、大切な人とまるごと味わう」をモットーに、
簡単な英語表現を交えながら、四季の行事や暮らしの手作りを楽しむ教室「こども寺子屋」「おとな寺子屋」を主宰している。
ブログ:五感まるごと☆四季を愉しむ寺子屋だより -What a Wonderful Everyday Life in Japan!-